砂漠読了

 すごく面白かった。やっぱり伊坂のこういうテイストの方が好きだ。伊坂作品で特に好きなのは、ラッシュライフ、チルドレン、アヒルと鴨のコインロッカー、陽気なギャング二作辺りなのだけど、その中に砂漠も入れようと思った。以下感想。
 鳥居の失ったものに対する前向きな姿勢が大好きだし、北村の一々ウィットに富んだ語り口調が大好きだし、西嶋の一貫してるんだかしてないんだか解らないぶち上げ論が大好きだし、南の超能力と言うややもすればパワーバランスが崩れそうな物を絶妙のタイミングで行使する様が大好きだし、東堂という男を次々に振る絶世の美人が内輪にいる事による「このグループのやつらはそれだけで勝ち組」感が大好きだ。最後の方にあった言葉、「人間にとって最大の贅沢とは人間関係における贅沢のことである」も良かったけど、個人的に響いたのはむしろ、

「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ」

こっちだった。とりあえず今の所、そういう人生は送ってない。